先輩研修生の声

先輩研修生一覧

元システムエンジニア

三木 真隆さん(30代)

元会社員

前田 完さん・苑子さん(ともに30代)

元証券マン

藤田 大介さん(30代)

元公務員

扶蘇 美香さん(30代)

CASE1
元システムエンジニア
三木 真隆さん(30代)

甘みを最大限引き出した究極のイチゴをつくりたい

祖父が家庭菜園で柿やビワなどをつくっていたことから、作物を育てることに興味を持ち、大学は農学部で土壌分析の研究をしていたという三木真隆さん (33)。
卒業後、大阪府の民間企業でシステムエンジニアとして勤務する傍ら、いずれは農業に携わりたいとの思いから、知人がいる紀の川市で、週末にみかんや桃の収穫を手伝い始めました。
「体を動かし、自分が育てたものを収穫する農業が楽しい」と改めて実感し、就農することを決意した三木さん。就農支援セミナーで紀の川アグリカレッジを知り、参加を決めました。
「将来的にはイチゴのほかにも桃を栽培したい」という思いがあったため、イチゴと桃を中心に栽培している株式会社ふるーつふぁーむわかやまの田中さんの農園で令和4年6月から実習を始めました。
「一番大変だったのは、病気になったいちごを早期に発見することです」と話す三木さん。イチゴは病気に弱く、そのまま放置すると枯れてしまいます。他の苗にも病気がうつるため、症状が出た苗は、すぐに取り除くことが重要。
「一目で病気になっていると分かる苗もあるが、見た目では分かりにくいものもあって、経験とともに見る目を養っていかなくてはならないと感じた」といいます。
今は、病気を乗り越え、大切に育てた苗が成長していることに喜びを感じていると目を細めます。
「ハウスで育てるイチゴは自然の影響を受けにくい分、自分の腕の良し悪しが出やすい。だからこそ、やりがいがある」と話す三木さんの目標は、甘みを最大限味わってもらえるようなイチゴをつくること。
甘さを追及したイチゴをつくるため、田中さんのもとで腕を磨こうと、日々奮闘しています。
「栽培のほかにも販路の開拓や経営のことなど、2年間の勉強では時間が足りないくらいですね」と話す三木さんの表情は、やる気に満ちあふれていました。

CASE2
元会社員
前田 完さん・苑子さん(ともに30代)

土づくりからこだわり、高品質でおいしいイチゴをつくりたい

大阪府堺市出身で、大阪市内で会社員として働いていた前田完さん(39)と苑子さん(34)夫妻。
「自分たちで裁量を持って仕事がしたい」という思いと、「ほどよい田舎に移住してみたい」という2つの思いから、移住先を探していました。
大阪からのアクセスがよい紀の川市に何度か足を運ぶうち、一級河川紀の川が流れ、龍門山がそびえる景観のよさに惹かれ、紀の川市への移住を決意。移住を機に、夫婦2人で一緒に何かをつくる仕事がしたいと考え、就農を検討し始めました。
「はじめは、果樹栽培を考えていましたが、収益を上げるためには広い畑が必要で、新規就農するにはハードルが高く、悩んでいました」 と苑子さん。そんな時、市の移住相談窓口で紀の川アグリカレッジの紹介を受け、「比較的少ない面積で栽培ができて収益性も高いイチゴが、夫婦で就農がしたいという私たちの思いにピッタリで、参加を決意しました」と振り返ります。
令和4年2月に紀の川市に移住。
父の代から 年以上イチゴをつくり続けている児玉瑞枝さんの農園で栽培を学び始めました。
「師匠たちは、なぜこの作業が必要なのか、一つひとつの作業の意味も丁寧に教えてくれるので、とても勉強になる」と完さん。
肥料や水、育て方で味が大きく変わるなど、やってみて初めて分かったことがたくさんあるといいます。
「手入れを少しでも怠ると、苗に影響が出るため、日々のきめ細やかな手入れや観察を大切にしています。
収穫まで時間がかかる分、やりがいも感じる」と本格的な収穫に向け、思いも高まります。
そんな2人の目標は、農業スキルを高め、師匠はもとより、地域の農家のみなさんが認めてくれるような、おいしいイチゴをつくること。 「難しいからこそ、挑戦したい」と話す前田夫婦。
これからもひたむきにイチゴと向き合い、技術を高めるため、探求し続けます。

CASE3
元証券マン
藤田 大介さん(30代)

族とともに過ごす時間を大切に
人が集まり、交流できる場所をつくりたい

大阪府大阪市出身の藤田大介さん(31)。大学卒業後、証券会社に入社し、東京都で営業活動に勤しんでいました。
転機となったのは、令和3年7月。
待望の第一子となる娘が誕生したものの、コロナ禍のため、紀の川市へ里帰りして出産した妻と生まれたばかりの娘に会えない日々が続きました。
「家族とできるだけ長く時間をともに過ごしたい」との思いが強まり、将来のライフスタイルを考えはじめました。
元々、自分で責任を持って、やりたいことを自由にできる自営業に憧れを持っていたという藤田さん。後継者がいない事業を譲り受ける事業継承など、様々な自営業を検討していたところ、東京・有楽町にある移住相談の窓口で紀の川アグリカレッジの紹介を受けました。
これまで全く農業に携わったことがなかった藤田さんですが、説明を聞くうちに「農業は地域に根ざし、家族との時間を大切にできる職業で、やり方次第で、ビジネスとしても成り立たせることができるんだ」と農業の魅力や可能性を感じ、会社員を辞めて就農することを決意。
当初、前向きではなかった妻を説得し、退職までの約半年間、休日は埼玉県のイチゴ農家で、温度や水分量をコントロールして栽培する環境制御を学びました。
令和4年5月末、紀の川市に移住。
イチゴの栽培方法に加え、経営も学びたいと、紀のファーム株式会社の林さんのもとで実習を行っています。
「6月から育て始めたイチゴの苗が、少しずつ成長していくことが嬉しい」と話す藤田さん。
日々、細やかな栽培管理を行い、自信を持って、お客さまにお届けできるような作物をつくるという「農家プライド」も少しずつ身についています。
「いずれは観光農園など、人が集まり、交流できる場所をつくりたい。やりたいことをやっている、かっこいい父の姿を子どもに見せられたら」と微笑む藤田さん。
笑顔あふれるあたたかな場所をつくるという夢に向け、挑戦は始まったばかりです。

CASE4
元公務員
扶蘇 美香さん(30代)

食べた人に「おいしい」「幸せだ」と
感じてもらえるようなイチゴをつくりたい

大阪府で 年間、公務員として勤務していた扶蘇美香さん(38)。
当時、担当していた事業の参考にと、農業者による6次産業化のビジネスプランコンテストを見学したことで転機が訪れます。
「これまで農業は、休みもなく、きつい、もうからないというイメージを持っていたのですが、コンテストを通して、定年なく続けられる仕事で、自分の作った農産物がアイデア次第でビジネスになるということを知りました。また、発表している農業者が本当に生き生きとしていて、農業にとても魅力を感じるようになりました」と扶蘇さん。
さっそく近隣の市民農園を借りて、自らトマトやトウモロコシ、イチゴなどの栽培を始めました。
生まれて初めての農作業。夏は熱中症になったこともありましたが、自分が育てた作物ができた時の嬉しさやおいしさは格別で、「どうしたらもっと上手に栽培できるかを追及するうちに、どんどん農業の魅力に取りつかれていったんです」といいます。
次第に、農業で生計を立てていきたいという思いを持ち始めた扶蘇さん。
SNSで見つけた奈良のイチゴ農家に話を聞く中で、イチゴの栽培に興味を持ち、紀の川アグリカレッジへの参加を決意しました。
令和4年3月末に退職し、5月から紀の川市に移住。
現在、いわつるfam.の岩鶴さん夫婦のもとで実習を行っています。
「イチゴ栽培は気づきが大切。日々、どんな観察をすれば良いかを学んでいますが、岩鶴さんのように、わずかな変化を見つけるのは、まだまだ難しいです」と扶蘇さん。
技術の取得に励む傍ら、岩鶴さんがすすめる6次産業化の商品開発に共に携わり、アイデアが形になる楽しさを感じているといいます。
「自分が作ったイチゴを食べた人が、『おいしい』と感じて、幸せな気持ちになって欲しい。そのためにもおいしいイチゴを作って、ゆくゆくは農家カフェを展開していきたい」と意気込む扶蘇さん。
おいしいを届けるための勉強は続きます。